大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和41(さ)10 判決

主 文

原略式命令を破棄する。

本件公訴を棄却する。

理 由

検事総長馬場義続の非常上告趣意について。

記録を調べると、被告人は「公安委員会の運転免許を受けないで、昭和三九年六

月一四日午前一〇時五〇分ごろ、北九州市a区b町付近の道路において、四輪軽自

動車を運転したものである。」との事実につき、昭和三九年一〇月二一日小倉簡易

裁判所に対し、公訴提起とともに略式命令を請求され、同年一一月五日同裁判所に

おいて右事実につき道路交通法違反として、罰金四千円に処する旨の略式命令を受

け、この裁判は昭和四〇年一月一〇日確定した。ところが、被告人は、右略式命令

がなされた後まだその確定しない前である昭和三九年一二月二二日右同一事実につ

き、同裁判所に公訴提起とともに略式命令を請求され、同月二四日同裁判所におい

て前記と同一内容の略式命令を受け、この裁判は昭和四〇年三月五日確定した事実

を認めることができる。

してみると、後に起訴を受けた小倉簡易裁判所としては、その公訴事実について

は、すでに公訴が提起されているのであるから、本来刑訴法三三八条三号に則り判

決で公訴を棄却すべきであつたのに、そのことなく、更に略式命令をなしたため、

同一犯罪事実について二個の略式命令がなされ相前後して確定した結果となつたわ

けである。すなわち、後になされた原略式命令は違法であるから、本件非常上告は

理由があり、かつ、右略式命令は被告人に不利益であることが明らかであるから、

刑訴法四五八条一号により原略式命令を破棄し、同法三三八条三号により本件公訴

を棄却すべきものである。

よつて、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

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検察官 横井大三公判出席

昭和四一年一一月一五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 田 中 二 郎

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 柏 原 語 六

裁判官 下 村 三 郎

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